全長調整(フルタップ)式車高調の車高調整方法

全長調整式車高調ではない昔からある車高調は写真@のスプリング下のスプリングロアシートとロックシートを上下に移動させることで、スプリングを伸縮させて車高調整をしていました。
シートを上げてスプリングを縮めれば車高が上がりますし、逆にシートを下げてスプリングを遊ばせてやれば車高は下がります。
この方式の車高調でスプリングを遊ばせて車高を下げますと、ショックが縮んだ状態で固定される為、縮んだ分、通常よりストローク範囲が狭くなります。この状態で走行して段差などでショックがストロークして縮んだ時、いわゆる「ショックの底付き」という現象を起こしてしまいます。「ショックの底付き」はショックの抜け・ヘタリにつながり、寿命が短くなってしまいます。

そこで、開発されたのが、全長調整(フルタップ)式車高調です。
このタイプの車高調は車高調自体の長さを調節することで、車高調整を行います(もちろん、従来通り、スプリングの伸縮でも車高調整は可能です)。
全長を長くすれば車高が上がり、短くすれば車高が下がります。
これでスプリングを遊ばせなくても車高を下げる事ができるので、底付きを心配する必要がなくなりました。

当社でも、全長調整式車高調を採用していますが、購入頂いたお客様から、簡単な調整方法がないかという質問をたくさん頂く為、このページを作りました。
車高調メーカー(写真の圭オフィスetc)的には、車高調最下部の車輌との接合部を一度外して、全長調整して下さいとの説明をよくされているのですが、実際は、わざわざそんなことをしなくても車高調整はできます。

☆調整の仕方(車輌をジャッキアップしてホイールを外した状態です)
全長調整式車高調にはボトムブラケットの上に、ボトムブラケットロックシートがあります(写真A)。
まず、このロックシートを緩めます(写真B)。

@                         A                        B
     

後は写真Cの部分を手でもって回して頂ければ、アッパーマウント部は空回りする為、ボトムブラケットからショックネジ切り部が出たり入ったりする為、全長を調節できます。
サビなどで、ネジ部が固着していて手で回せない場合は、写真DEのようにスプリング下のシートを利用して、シートが緩まない方向に車高調レンチで回すことで同様に車高調ができます。

C                        D                         E
    


全長調整後はボトムブラケットロックシートを元に戻して調整完了です。
案外簡単でしょ?
メーカーがこの方法を推奨しているかどうか分かりませんが、注意点もあります。
この方法で車高調整を行う場合、アッパーマウント部を空回りさせるのですが、ピロアッパーマウントの場合はピロ部で空回りする為、何の問題もありません。
しかし、リジット(強化ゴム)マウントの場合は、空回りすると同時に車高調との接合ボルト(ピロアッパーマウントでいうピロナットの部分)が緩む可能性があります。調整後、締め直すことで問題ありませんが、リジット(強化ゴム)のヘタリを考慮すると面倒でも、車輌取り付け部を外して全長調整した方がいいのかもしれません。
以上を注意してトライしてみて下さい。